UHFアンテナ設計

開発ポイント

■はじめに

UHF帯RFIDタグは、ダイポールアンテナやモノポールアンテナの原理を利用しており、それぞれの特性は以下の通りです。

【ダイポールアンテナ】

アンテナ長を波長の2分の1にすることで、受信した電波から最も効率よく電力を受けることができます。

モノポールアンテナの図

【モノポールアンテナ】

波長の4分の1の長さのアンテナとグランドを組み合わせ、最大効率で電力を受けることができます。ダイポールアンテナよりもアンテナ長を短くできるのが特長です。

ダイポールアンテナの図

■運用環境に合わせたアンテナ設計が可能

アンテナの物理的な長さは波長の2分の1や4分の1が基本となりますが、実際にはアンテナの電気的な長さで性能が定まります。アンテナの電気的な長さは、アンテナ基材や取り付け対象の材質、取り付け方など、多くの要素に影響を受けるものです。当社では、電磁界シミュレータを用いて、これらの要素を再現し、用途に合わせた最適なアンテナデザインを設計いたします。また、アンテナ基材の選定など、仕様の企画段階からのご提案も可能です。

■特殊アンテナの設計

取り付け対象の材質や取り付け方は、アンテナの性能に大きく影響する要素です。材質としては金属や水分、取り付け方としては湾曲した状態での取り付けが具体例として挙げられます。当社では、こういった特殊な仕様への対応も実績がございます。
下図は、水分に対応したアンテナ設計品の通信距離を示したグラフです。汎用的なタグは通信できませんが、設計品は、2段階の設計を経て良好な通信距離を得られました。

グラフ

■充実した評価環境

広帯域の通信特性を評価可能なVoyantic社製Tagformanceと電波暗箱を組み合わせた評価環境を保有しており、試作品の評価結果を迅速に設計へフィードバックすることが可能です。また、据え置き型リーダやハンディリーダといった現場運用で採用されることの多いリーダも豊富に保有しており、実環境を想定したテストも実施可能です。


開発事例


インフラタグ

導通検知システムによるインフラ監視

RFIDデータロガー

多彩なセンシング機能の実装