ICタグとは

RFID技術を用いた電子タグです。
ICカードなどに用いられるHF帯、アパレルの物品管理に用いられるUHF帯が主に使用されています。

HF帯(NFC)とUHF帯ICタグ

  HF帯(NFC) UHF帯
  HF帯(NFC) UHF帯
特徴 読取精度が高い
交通系ICカード等現在広く使用される周波数帯です。
リーダ出力などにより異なりますが、数cmから長くて数10cmの通信距離が取れます。
セキュリティカードや資材管理など様々な使用シーンがあります。
一括・多読に強い
通信距離が長く今後の導入が期待されています。
リーダ出力などにより異なりますが、1~5メートル程度の通信距離が取れます。
車両の出入管理や流通管理など多読性や通信距離の長さが必要なシーンで活躍します。
デメリット 読取距離が短い(最大1m) 環境によって読取が不安定
タグコスト 60円/枚~(ラベル) 20円/枚~(ラベル)

ICカード・ICタグの用途

これまで、ICカードおよびICタグはコスト高と考えられ、普及に時間がかかりました。

しかし、日本国内では「働き方改革」「省人化」「IoT」により、さらなるRFID広がると考えられています。
ここでは、環境別における、ICカードとICタグの用途例を記しております。

工場

工場

非接触ICカード勤怠システム導入による省力化が可能。
工員および出入り業者に持たせてセキュリティの改善。

ICタグ棚卸時間の削減やトレーサビリティなどに利用。
バーコードではできない、データの再書込みを行なって状態記録が可能となる。

ホテル

ホテル

非接触ICカードセキュリティを高めるほか、場内の決済システムと連携が可能。
ICカードキーもしくは、リストバンドで売上UPへ繋がる。

ICタグリネン用ICタグを使用して、備品管理の見える化が可能。

図書館

図書館

非接触ICカード図書館カードとして運用可能。

ICタグ書籍専用ICタグを使用して、探索時間の削減および万引き防止機能も可能。

1円タグとは

2017年経済産業省が、2025年までに、セブン‐イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、ニューデイズの全ての取扱商品(推計1000億個/年)に電子タグを利用することについて、一定の条件の下で各社と合意したことを発表しました。

これを踏まえ、各社と共同で「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を策定されました。これに伴って話題になったのが「1円タグ」です。

コンビニではお菓子など数十円の商品もありますので、1円程度まで安くする必要があります。
2025年に国家プロジェクトとして、この「1円タグ」の実現を目指すことで、ICタグは注目の的となっています。さらに2018年春に、国内大手ドラッグストアが全店舗で無人レジ導入を2025年にすることを発表しました。

ただし、現状の最低コストと考えると、およそ@10円程度になります(アルミエッチングタグ)。
またラベル加工費などコスト削減にむけたイノベーションが必要とされています。

ICタグのつくりかた

  巻線タグ エッチングタグ
特徴 銅線をコイル状に巻いてICチップを接合します。銅線はアルミに比べ通信能力が高く、アンテナが小型でも安定した読取が可能です。
主にHF帯ICタグに使用され、小ロットでの生産対応が可能となります。
主にアルミを印刷加工しています。印刷加工のため大量ロットで生産します、そのため、1枚の単価が安くなります。
UHF帯ICタグに使用されます。
現在は、アパレル品に普及されてきたため低価格化がすすんでいます。
メリット 小ロットでカスタム対応がしやすい、通信能力が高い コストが安い
デメリット エッチングに比べコストが高い 大ロットで製造する必要がある

ICタグ・RFIDの歴史

ICタグ・RFIDの歴史を年表にまとめました。
JR東日本社のSuicaが導入され20年弱経ち、日本国民のほとんどが何らかのICカードを持っています。
またスマートフォンの普及により、NFC機能をつかったキャッシュレスサービスも多彩になってきました。

これまで、ICタグ・RFIDの普及にはいくつもの問題点がありました。例えば、1990年代日本政府が、ユビキタスネットワークを目指し非接触IC搭載のテレホンカードに採用を決めました。
しかし、携帯電話の登場により非接触ICテレホンカードは使用されず、非接触ICは普及されませんでした。
あわせて、国内携帯電話はFeliCaを搭載したオサイフケータイが主流にありましたが、iPhoneの出現により一時停滞しました。現在も、マイナンバーカードの導入が遅れておりますが非接触ICの使用メリットを明確にすることは難しいといえます。

今後も、ICタグの低価格化やIoT化による「モノ」への取り付けがすすむため、よりICタグとRFID技術が身近になると考えられます。

西暦 出来事
1994年 Mikron社がMifare1Kが発表
ソニー社がFeliCaを発表
1995年 TI社がTagitを発表
1996年 韓国UパスにMifare1Kが採用
1997年 香港オクトパスカードにFeliCaが採用
Philips社がHitagを発表
1998年 広島スカイレールサービスにてFeliCaが採用
1999年 NTT社による非接触ICテレホンカード開発プロジェクト開始
ソニー社が電子マネー「Edy」のサービス開始
2001年 JR東日本社がSuicaを導入
2002年 シンガポールEZ-linkにFeliCaが採用
2003年 ウォルマート社がICタグ導入を発表
2004年 iモードFeliCaを搭載した携帯電話が登場
「響プロジェクト(※1)」開始
NFCフォーラムの設立
2005年 日本国際博覧会(愛・地球博)の入場券にミューチップ(※2)が採用
2007年 株式会社イーガルド設立
2011年 蔦谷書店代官山にてICタグ80万枚を導入
2014年 ZARA社がICタグ導入を発表
2016年 経済産業省1,000億枚タグ策定「1円タグ」
2017年 経済産業省「ドラッグストア スマート化宣言」
ファーストリテイリング社展開のユニクロが1年以内に国内外約2000店舗にICタグを導入を発表

※1.響プロジェクトとは

2004年から2年間経済産業省主導のもと、「5円タグ」を開発するプロジェクト。
委託を受けた日立製作所社、大日本印刷社、凸版印刷社、日本電気社、富士通社にて開発が進められた。
このプロジェクトにより開発されたミューチップは、UHF帯ICタグのGen 2規格に満たせないことや、月1億個生産時に5円という制限によって実現には至らなかった。

※2.ミューチップとは

日立製作所社が開発したRFID専用のICチップです。
固有のUIDはありますが、ユーザーエリアをもちませんでした。